登山をする人はみんな大好きな稜線歩き。
今回は初心者の人でも楽しく登れるオススメの稜線歩きルートを厳選しました。
日帰りで楽しく登る山からステップアップして縦走登山で登りたい山までタイプ別に紹介します。
さらに稜線歩きの大敵、雷対策についても分かりやすく対策や予防、実際起こった事故についても紹介します。
対策をして楽しい稜線歩きに出かけましょう!
稜線歩きにオススメの山10選
烏帽子岳(東御市)
わたしが登山初心者と登るときによく登るのが東御市にある烏帽子岳。
隣に湯の丸山もあるのですが、断然烏帽子をオススメします。
長野県ブログだけど嬬恋村のつつじの湯はホントオススメ!
キレイでお湯が素晴らしい。岩盤浴もできて600円は安すぎ
湯の丸山との分岐から地蔵峠まで登りきると、そこからはお楽しみの稜線歩きです。
北アルプスや富士山も見える絶景で、子烏帽子~烏帽子岳まで楽しく登ることができるので初めて山登りをする方も山が好きになること間違いなしです。
登った人はみんな山好きに変身するすごい山!
標高差も少ないし、コースタイムも短いから初心者ハイクにピッタリだよ
地元の小学生の学校登山の定番になってるしね
冬山ハイクに慣れてきたら行ってみてほしい冬の烏帽子岳。
夏に比べてグッと人が少なくなるので、慣れた人向けですが、稜線へ出ると目の前に北アルプスの稜線が広がり冬も絶景です。
富士見台高原(阿智村・中津川市)
長野県の南でお手軽な山に行きたい人は富士見台高原がオススメ!
笹の山で夏前にはササユリが群生していてキレイです。
百名山を23座見ることができる展望の良さと登りやすさが魅力の山です。
富士見台高原という名前ですが、富士山は見えません。
富士見たい=富士見台になったとか
トイレには困らない親切な山
冬はスノーシューを履いてスノーハイクもオススメ!
夏場萬岳荘までいく車道を歩くだけでも楽しいです。
蛇骨岳(小諸市・嬬恋村)
わたしのホームマウンテンで、烏帽子で山好きになった人が「2回目行きたい!」と言われた時に連れて行く山が浅間山外輪の黒斑山~蛇骨岳周辺です。
標高差は450mほどで眺めも良く、稜線歩きや樹林帯歩きも最後まで飽きずに登れる山として人気です。
富士山や北アルプス・八ヶ岳・御嶽山や中央アルプスの山々がドンドン登っていく度に変化するのも魅力。
そして、最後には浅間山が目の前にドーンと登場するという行程です。
行きは表コース、帰りは中コースで帰ると登り返しがないので楽ですし、駐車場の近くに下山できるのでオススメです。
しかも、下山後の温泉も近いというコスパ最強の山です。
登山初心向けスコア満点
高峰高原ホテルは駐車場のすぐ横なのですぐに温泉へ行きたい人におすすめ
多くの人が黒斑山を目的地に登るのですが、外輪はその先蛇骨岳までの稜線歩きが一番です。
この記事を読んだ人はぜひ蛇骨岳まで歩いてみてください。
黒斑山で帰るのは外輪の魅力は40%だけ味わって帰るようなものです。
初心者の人は蛇骨岳までがオススメ
黒斑山が外輪の中で一番高いので登りかえさないといけなくなります。
蛇骨岳から先は木がなくなるので強風注意!
夏場は低体温・冬は凍傷になりやすくなるよ
遠見尾根(白馬村)
冬になると行きたくなる稜線歩き。
毎年五竜と鹿島槍を見に行くお手軽スノーハイクがオススメです。
エイブル白馬五竜からリフトを乗り継いで行くのですが、初めの樹林帯を抜けていくとド迫力の五竜が見えてきてテンションアップすること間違いなし。
チケットはテレキャビン・リフト乗り場でそれぞれ買いましょう!
エイブル白馬五竜スキー場のテレキャビンとリフトを乗り継いで地蔵ノ頭まで登れるので、サクッと稜線歩きが楽しめる小遠見山。
目の前には大迫力の五竜と鹿島槍や爺ヶ岳まで見ることができて、絶景!
秋は紅葉もオススメですが、わたしが断然オススメなのは冬。
真っ白な雪山に武田菱を見ながら歩くのは至福です。
帰りも北信の山と真っ白な白馬の田んぼを眺めながらのんびり稜線歩きをたのしめるので、冬山初心者にもオススメです。
伊那前岳(駒ヶ根市)
伊那前岳を知らない人が多すぎるので、こちらもぜひ登ってほしい山の1つ。
行き方は簡単千畳敷カールまでバスとロープウェイを使って2612mまで一気に登ります。
その後のんびりカールを楽しんだあと、のんびり浄土乗越まで登りましょう。
すぐに登ると高山病になるリスクが高まるのでのんびり散策してから登ろう
高山病の予防とリスクについてはコチラにまとめました▼
千畳敷へ来た8割の人がそのまま宝剣山荘方面へ進み木曽駒に登ってしまうのですが、
宝剣山荘とは反対の道へ「伊那前岳方面」へ進んでほしいです!!
乗越から30分で伊那前岳だよ!
浄土乗越から伊那前岳までは全て稜線歩きになるので、登りはカールから浄土乗越までです。
道は細いので眺めに夢中になって滑落しないようにね!
写真を撮るなら立ち止まって撮ろう!
仙丈ケ岳(伊那市)
林道バス駐車場2022年から有料化
1台5日間で1000円(縦走にも優しい)
南アルプスの3000m峰入門でも人気の仙丈ケ岳。
特に8合目の小仙丈ケ岳~の稜線歩きは最高!
カールを見ながら進み、振り返ると南アルプスの貴公子白い岩肌がかっこいい甲斐駒ケ岳を間近に見ることができます。
仙丈ケ岳と甲斐駒ケ岳の間にある北沢峠に一泊して両方登る人もいるくらい、どちらも人気の百名山で南アルプス入門にピッタリです。
燕岳~大天井岳(安曇野市)
現在わたしのなかのナンバーワンマウンテンが大天井岳(おてんしょうだけ)。
その魅力は小屋がいい。登りやすい。
そして最大の魅力はこの稜線歩きが最高!
日帰り登山から小屋泊登山へステップアップした方はぜひチャレンジしてほしい山が大天井岳です。
燕山荘から槍ヶ岳をひたすら見ながら登れるこのルートは表銀座ルートとも呼ばれていてとにかく眺めが良いのが特徴です。
人気のルートなので人も多く、マーキングや看板もしっかりしているので安心して歩くことができます。
まだ登ったことない人はぜひチャレンジしてみてください。
小蓮華山~白馬岳(糸魚川市・小谷村・白馬村)
初心者の方は2泊3日で栂池高原から入山し、乗鞍岳を越え白馬大池で一泊。
翌日小蓮華山~白馬岳までのんびり歩く白馬岳までの行程がオススメです。
夏にはお花畑も広がる天国のような稜線歩きが楽しめます。
小蓮華山~白馬岳まではお花と白馬三山が眺められる天国のような道が続きます。
あまりにも、良い道なので写真を撮っていて進まなくなりますので、時間に余裕を持って早めにスタートしましょう。
白馬岳が女性に人気なの分かるなぁ
槍ヶ岳 西鎌尾根(高山市・松本市・大町市)
槍ヶ岳へ登るルートの定番は上高地ですが、人と違ったルートで槍ヶ岳を目指したい!という方にオススメのステップアップ登山をご紹介します。
上高地ルートと違い長い稜線歩きや槍ヶ岳を遠くから見ながら登りドンドン近づいてくるのがたまらないルートです。
槍ヶ岳は山のグレーティングC8です!
ご自身の登山レベルを確認して安全登山を!
稜線歩きで注意すべき点
稜線歩きは何といっても雷です。
夏場は特に大気が不安定になり、昼間は気温が高い為暖かい空気と上空で冷たい空気が集まり雲になり積乱雲を作ります。
その積乱雲の中で氷の分子同士がぶつかり雷雲が発生して雷が発生します。
雷に会わないために
- とにかく早出早着!夏季ならなるべく早朝に出発し、13時ころには行動を終えるようにする。
- 夏の夕方に起こる雷は同じ時間に起こることが多いので、山小屋や気象情報をチェックしておく。
- 事前に雷注意報が出ている場合は入山しない。
雷が落ちやすい場所
- 山頂・尾根などの、まわりより高いところ
- 河原のように開けたところ
- 水場
槍ヶ岳や富士山周辺は特に雷の発生率が高いよ
実際に起きた落雷事故
1986年8月1日
松本市松本深志高校で2年生の登山パーティーは西穂高岳登山へ。
前日の7月31日に上高地で一泊し、1日朝から西穂高岳に登って翌日下山するという行程。
メンバーは教員を入れて総勢55名。8月1日、このうち46名が西穂高岳に登頂。
その後、正午過ぎから天候が悪化し、大粒のヒョウが混じった激しい雷雨となったので避難を開始。いったん雨はやんだが、ピラミッドピークを通過したあたりから再び激しい雨となり、雷も鳴り始めた。
13時半頃、先頭が独標を通過し鎖場に差し掛かった時に雷の直撃を受けた。
雷撃を受け動けなくなるもの、雷撃により飛ばされ転落するものなど、現場は混乱したものとなる。
事故発生の連絡を受けた西穂山荘からは従業員と東邦大学医学部による西穂高診療所の医師ら20余人が現場に向かい救助活動を行った。
また、事故発生時、松本深志高校のうしろにいた、神奈川県と東京都の登山パーティーも自主的に救援活動を行っていた。
救助活動、負傷者の応急手当、搬送などを行い、無事だった生徒と教員も山荘に避難、負傷者も山荘に収容。
負傷者は無事だった生徒が交代で看病に当たった。当日夜の段階で、8名の死亡が確認され、3名が行方不明であることが明らかに。
翌朝には長野県警と高校OB、さらに乗鞍岳からの有志応援隊による行方不明者の捜索が開始され、結局尾根から300m下った岳沢側のガレ場で3名とも遺体となって発見され、死者は計11人となった。
自衛隊のレンジャー部隊が背負って西穂山荘まで下ろし、そこからヘリで空輸されていった。同日午前8時頃には無事だった教員と生徒が下山を開始。
長野県松本深志高等学校(編)『独標に祈る 西穂遭難追悼文集』長野県松本深志高等学校、1968年
これにより生徒11名が死亡、生徒・教員と会社員一人を含めた12名が重軽傷を負った。
11名の死者のうち、9名は雷撃死であったが、2名は雷撃のショックによる転落死であった。
長野県松本深志高等学校(編)『西穂高岳落雷遭難事故 調査報告書』長野県松本深志高等学校、1969年
春日俊吉『山と雪の墓標 松本深志高校生徒落雷遭難の記録』有峰書店、1970年
雷が聞こえた時の対応・避難方法
まとめ
最後は稜線歩きのリスクについても紹介しました。
さらに、コロナ禍になり、アウトドアを始める人が増え気軽に山に登る人がいる中で事故も急増しています。
2022年はハイペースで山岳事故が多発しています。
山歩きの楽しさと合わせて山でのリスクも知っておくことでより一層安全で楽しい山登りができるのでは?と思い雷のこともご紹介しました。
怖いですが、知っておいて損はありません。
雷に限らず、稜線背は強風やガスも発生しやすくなります。
天気予報を確認して、安全で楽しい山登りを!