【実体験】ソロ登山の八ヶ岳で遭難しかけた

今は躊躇なくソロ登山していますが、ソロ登山のデメリットも少し記載します。
わたしが山に登り始めた頃のソロ登山で実際に体験した話をご紹介。
かなり危険なので絶対に真似しないでください。

ホント怖かったぁぁぁ

この記事を書いた人
maitake_nagano

長野県上田市出身で伊那谷在住
長野県最強スーパーTSURUYA(ツルヤ)と山がすき。
本業は観光関係の会社員。
△▲△▲△
好きなリンゴはシナノゴールド
好きな山は大天井岳
病気な時以外家にいるのがもったいないと感じて外へ出かけたい人。
春は桜めぐり、夏から秋は山のぼり。
冬はもっぱら温泉めぐりをする信州を愛する30代女子

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【実体験】遭難しかけた話

初めて八ヶ岳の編笠山に登った時の話です。
山登りを初めて数か月。
ソロ登山3回目の本当に超絶初心者だった頃です。

編笠山

本来は山頂で早めのお昼を食べて、青年小屋まで下りて行ってぐるっと回って降りるという計画でした。

このルートを行くはずだった。。。
青年小屋
青い屋根が青年小屋


青年小屋の前まで行くと「権現岳まで1時間40分」の看板を発見。
元々八ヶ岳は全部行きたいなぁと思っていたので、少し早めに編笠山へ着いたこともあって「こんなに大変だったら二度と登らないだろうから、権現岳も登っておいた方がいいなぁ。と思ってしまいました。

しかも、みんな行ってるし!(←危険ポイント① みんな行ってるから自分も行ける)
あと1時間40分で着くんだし、12時頃には権現岳にも行けるな」と予定にはなかった権現岳へ、進むことにしました。


進んでみるとわたしが山頂だと思っていたのは「ギボシ」という場所で本当の山頂はもっと奥でした。
(遠くから見てると結構近く見えていて、実際歩くと遠いんです)

あっちが山頂?!あんなにまだ遠いじゃん!

しかも、結構なガレ場!
これは帰りが怖いなぁと思いながらも、「みんなが行ってるからわたしも大丈夫」という謎の理由でまだまだ先へ進みます。

今までの山では味わったことないガレガレゾーン

なんとかクリアして山頂に行くことができたのですが、帰りに同じ道を引き返すのが(ガレガレの部分)が怖くなりました。
山頂で写真を撮ってくれたおじさんに話したら「権現岳は周遊ルートだからこの先へ進んでも観音平へ帰ることができるよ」と教えてくれたのです。

たすかったーー!そのルートで帰ろう!

ということで、その場のおじさん情報を信じて進むことにしたのです。
さっぱり下調べしてないのに)←危険ポイント②


すると目の前には三ツ頭という山っぽいものが・・・
あれ?ずーと下りじゃないの??登るの??というプチパニック。
そして振り返ると雲が権現岳を飲み込もうとしていたのです。

非常に怖かった

もう全く知らないルートで、予想外の雲にパニックになったわたしは登るしか選択肢がなくなり、どうにか登り先へ進むことにしました。
しかし、ドンドン人は少なくなり、このまま合っているのか不安になりました。
本当におじさんの言っていたことは合っていたんだろうか?
実はそんなおじさんは居なくてわたしの勘違いだったのでは?
たぬきがおじさんに化けて初心者のわたしをだました?等々後悔し始めます。

でも、登りたくないから引き返したくない!

もうパニック最高潮。
一目散で下り始めました。
ただ、自分がどこにいて、あとどれくらいで駐車場に着くのかさっぱり分かりません
だってそもそも行こうと思ってた山じゃないんです。(←ホントなぜ登った?)


その時GPS付きの登山アプリなんて便利なものを持っておらず、しかも地図も事前に見ていただけだったので、手元にありません。(←危険ポイント③ 自分のいる場所がわからない)

ココはどこ?私は誰?


超危険な登山者になったわたしの災難はまだ続きます。

この日登山届を出していないことを思い出しました。
しかも、誰にも山行くの話してない。。。(血の気がひいた)
毎回紙で出していたのですが、この日は登山口のポストのペンがかすれてインクが出ず、登山届を出していなかったのです。
しかも一人暮らしで職場にも家族にも誰にも伝えずに入山していました。

せめて家族に伝えようとスマホを取り出しましたが、まさかの電波が入らない。。。
樹林帯では電波がない場所が多いです

ギャー――!これもしかして遭難してる?!


パニック状態で進んでいると、登山者の方が!
人だ――!!!!となり、「すいません!ここあとどれくらいで駐車場行けますか?」と必死に自分がほぼ迷子状態を説明。
おじさんは「地図とかもないの??これ良かったらコピーだけどマップあげるよ」と言って渡してくれました。

神かと思った

ルートマップをもらっても、まだまだ安心できません。
だって自分がこのルートのどこにいるか分からないのだもの。。。(←ホント超危険)
しかも、もらった地図は等高線だけの地図でした。

こういうグネグネしてるやつ写真/ヤマケイ公式より

なんだこれ?結局ココはどこ?わたしは誰?


とにかく走るように下って行ったのですが、途中から足が痛くなってきて、手がしびれてきました。
早く駐車場へ行きたかったため、ロクに行動食も食べず水も飲まずで、シャリバテのような状態になっていたと思われます。(←危険ポイント④ とりあえず、飴でもなめて落ち着けよ)

シャリバテ
飯が足りずにバテること。
医学的には血糖値が下がって力が入らなくなることを指す。
自覚症状としては、強度の脱力感を伴う疲労感、ふらつき、足がつる、のぼせ、立ちくらみ、頭痛など。
頭脳(意識、思考力)は明晰だが、体が全くいうことをきかない、という状態に陥る。


飛ばしていたのに、笹すべりを過ぎたあたりから段々ペースダウン。
もう足を引きずってじゃないと痛くて歩けない感じです。


何人か後ろから来た人に心配されながらも、「大丈夫です!靴擦れしちゃって・・・」と話して冷静を装いつつ、必死に引きずるようにして歩きました。
最後木道のような整備された道をのぼったり、下りたりして半泣き状態。
抜かしていったおじさんの熊鈴のチリーン、チリーンがなんだかあの世へ行く音みたいに聞こえていました。


ようやく駐車場まで到着。
最後はめちゃくちゃほっとしたのを覚えています。
(車見たら安心して駐車場で泣いた。)

15:08無事着 今思えばそこまで遅くないのだが、とにかくパニックだった。

どうですか?やばいですよね??
ホント地獄でした。


青年小屋で予定通り下山していたら、温泉入って楽しく帰宅できたのに・・・と何度思った事でしょう。
ひとりで登って調子乗ってたぁぁぁ!山こわいいいい!と後悔しながらひたすら下山しました

それからしばらく山が怖くて登れなくなりました。
結局登山ルートを外れたわけでも時間がものすごく遅くなったわけでもないのですが、パニックになっていたのでそれにも気づかないくらい焦りました。

でも、また結局好きなので登るようになったのですが、未だに編笠山と権現岳には行けていません。
あの当時強烈にこの山行は怖かった!という印象が強く、怖い印象しか残っていません。

登る時間が早かったことで大事には至りませんでしたが、今にして思えばちゃんと計画してルートを確認していればこんなことには起こらなかった。
まず休憩して落ち着けば、足も痛くならずに済んだかもしれません。


そもそも山のレベルを知っていたら良かったんですよね。
そう、権現岳は初心者の自分が行けるような山ではなかったのです。
それ以来怖い思いはしたことないのですが、今となってはとてもいい経験だったと思っています。(大きな問題にならずに済んでよかった)

山のレベルを知ろう

長野県のサイトではわたしのような危険初心者登山を減らすべく、山のレベルが分かるグレーティングが公開されています。
分かりやすくて、かなり使えます!
あまりにも使えるので他の県も導入しているほどです。


当時のわたしはグレーティング2Aや2Bの山ばかりだったのに、今回のプチ遭難のは4Cの権現岳に無謀にも登ってしまったからでした。
他の人が行くから自分も行ける」と勘違いして登ってしまいました。

それぞれのレベルがあり、一覧でパッと分かりやすくなっています。
登山を楽しむためには登りたい山よりも登れる山へ楽しく安全に登るのが正解です。

山は逃げない。
楽しく登るのが一番!


わたしはこのプチ遭難事件以降必ず自分のレベルと山のレベルがあっているか確認してから登るようになりました。
さらに、少しでも楽しくなくなったらいくら時間があっても撤退して下山するようにしています。
だからか、ビビッてあまり新しい山へ挑戦できないんですけどね・・・


登山は楽しいし、自由だしとてもいいのですが、少しでも間違えると大きなリスクになり、遭難や事故にもつながります。
しっかり準備して登りましょう。

そろそろ権現岳リベンジしたい!

2022年にようやくリベンジして楽しく権現岳登ってこれました!

準備が大切

ここまで、読んで「山嫌だわー!怖いじゃん!地図読めないし!」と思った方。
大丈夫です!今は良いアプリがあります!しかも無料で。
わたしが実際に使っている超絶オススメアプリ「YAMAP(ヤマップ)」

地図がダウンロードできて電波のない所でも自分がどこにいるか確認できます。
またアプリから長野県内の山は登山届を出すことが可能
ルートを計画するときに一緒に出せて、何かあれば自動で家族に連絡が届く設定にもできます。


わたしはこのアプリを仙丈ケ岳にソロで登っている時に途中で仲良くなったおじさんに教えてもらいました。(またおじさんに救われる)
「すごいアプリがあってソロで登るなら取った方がいいよー!」と言われて
なにそれ?そんないいアプリがあるの??
と下山した後早速DLしました。

マークを押すと登った方が写真付きで危険個所を教えてくれます

YAMAPあったら危険な目には合わなかったなぁ・・・

海外の地図もあり、リクエストすると増やしてくれます。(有料会員のみになりました)

マレーシアのキナバルへ登った時も利用しました

さらに、他にも公開されている色んな人の山記録も読むことができて、雪の残り具合とか駐車場情報や近所のおすすめの温泉やご飯屋さんまで知れちゃいます!
山ご飯の作り方なんかも公開している人がいて本当に勉強になります。
アプリ内で仲良くなって山に登りに行く人も続出しているくらい。

八ケ岳ハイカーはアプリ始める前に登っていた権現と阿弥陀が残ってるー!

あとは山頂へ行ってその記録を公開すると自動でもらえるデジタル山バッジなんて機能もあり。
期間限定のバッジから百名山や百高山まで様々で、これを集めている人もいます。

無料版もあるので、初めての山のぼりの人はまずDLしてみるといいかも!
前は無料で使い放題だったのですが、YAMAPの発展と登山者を守る技術にはお金もかかるため最近有料の機能が充実となりました。
有料化には結構賛否両論なのですが、こんなにいいサービスで安全に登山できるなら安いもんだと思い有料会員です。(←経験者は語る)

年契約で3480円/1か月にすると290円
月額プランは480円

それでもやっぱり山は楽しい

山を見ながらのスイーツは最高



怖い実体験を書いてしまい、「結局一人怖いじゃん!」「やっぱやめよ!」とか思われていたらごめんなさい。
でもやっぱり、山のリスクも知ってほしいなぁと思い書きました。
それでもやっぱり山の魅力ってすごくて登りたくなるんですよね。
日々の生活では味わえないような非日常感

いつかは歩きたい大キレット越えて槍ヶ岳


ストレスや嫌なことも山を歩くと山が吸収してくれるみたいな気持ちよさ。
山に登らないと見えない景色。

雲海と槍ヶ岳三日月を添えて


登りは他の事が考えられないくらい辛いけど、その分山頂に立った時の達成感は普段の生活では味わえません!

白馬岳と高山植物


たまに同じ行程で仲良くなった方とご一緒することがあり、そこで山の先輩たちに○○どうですか?と聞いてソロ登山の時の材料にしたり、(その後自分が登れるのかしっかり調べて準備)
結構ソロ登山の方は多くて休憩場所で何気なく話して仲良くなったり、山頂でお互いの写真を撮り合って仲良くなったり、テント張った場所が近くて仲良くなったりするのも面白い。

穂高岳山荘のテン場で見た日の出


なので、ソロ登山だからって寂しいわけではなく自分の時間を大切にできて尚且つ同じタイミングで登った人と仲良くなれるのが魅力の素晴らしいアクティビティだと思います。


ぜひ、怖がらずに登れそうな山から少しずつ登れる山を増やして、ソロ登山を楽しんでみてください。

わたしがプチ遭難で学んだこと
  • 早出早着
    心にゆとり、時間にゆとりを持とう!
    午後になると雨や雷、雲が出てきやすくなります。
    天候が悪くなると一気に不安に心細くなって間違った判断をしがち。
  • 登山届は必須 
    登るときは誰かに行先を伝えよう!
    今はアプリでも提出できる時代。
    しっかり出して万が一にも備えておくと山行中も精神的に安心する!
  • トラブル後はまず少し休憩
    早く下山しなきゃ!と焦って水も行動食も食べずにいるとしっかりとした判断ができなくなって事故につながりやすくなります。まずなにか食べて一旦落ち着こう。
  • 登りたい山よりも登れる山へ
    「他の人が行くから」ではなく、自分が登れる山に登っているか?が大切
    登るのは自分です。事故や遭難リスクから自分を守るのも自分。
  • 撤退する勇気、怖くなったら即中止
    山登りは楽しくするもの。
    少しでも不安なことや違和感がある場合は引き返すのが◎
    無理していると引き返せなくなって余計に危険なリスクは増えます。
    山は逃げないのでまた登ればいいのです!
槍ヶ岳
蝶ヶ岳山頂に

わたしが使う山道具はコチラ
優秀アイテムなので、参考にどうぞ

安全登山で楽しくのぼろうー!
わたしオススメのアプリ↓

ソロハイカーには必須!軽くておいしい山ご飯のおすすめ↓

この記事を書いた人
maitake_nagano

長野県上田市出身で伊那谷在住
長野県最強スーパーTSURUYA(ツルヤ)と山がすき。
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△▲△▲△
好きなリンゴはシナノゴールド
好きな山は大天井岳
病気な時以外家にいるのがもったいないと感じて外へ出かけたい人。
春は桜めぐり、夏から秋は山のぼり。
冬はもっぱら温泉めぐりをする信州を愛する30代女子

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